ゲノム編集食品があなたの食卓に上るかも!安全性や各国の取り組みは?

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※この記事は1年以上前に書かれたものです。情報が古い可能性があります。

たとえば【遺伝子組み替え食品】のように、「なんだか詳しい事は分からないけど、なんとなく外部から手を加えたものは怖い」と感じている方も少なくないと思います。

私もそういうタイプです 笑

さて、10月からゲノム編集食品の【販売・流通の届け出の受け付け】が始まりました。波紋を呼んでいるのはこれが任意だということ。また、表示義務がないということ。

つまり、知らないうちに私たちの食卓の上に上がっている可能性があるのです

なんだかちょっと恐ろしい気がしますよね?

そんなわけで、一体【ゲノム編集食品とは何なのか?】【安全性は?】【遺伝子組み替え食品と何が違うのか?】などについて調べてみました。

※私自身、全く知識の無い状態から気になることを調べてまとめてみたので、認識不足な点が多々あるかもしれません。記事の最後に今回参考にさせて頂いた記事の一覧を掲載していますので、より詳しく知りたい方は参考にしてください。

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ゲノム編集食品とは?

ゲノム編集食品とは、生物の遺伝情報であるゲノムを意図的に改変して作った食品の事を指します。

遺伝子組み替え食品とどう違うのか?

どうやら端的に言うと

 

遺伝子組み換え食品は=外部から遺伝子を組み込む

ゲノム編集食品=遺伝情報を編集する

という違いがあるようです。

たとえば遺伝子組み換え食品の場合は、全く関係ない遺伝子を組む混むことで自然界には発生しない現象を起こします

しかしゲノム編集食品は文字通りゲノム(=遺伝情報)を切ったり繋げたり編集するので、両者とも【外部から意図的に手を加える】という共通点はあるものの、ゲノム編集食品はより自然(=自然界で日々起きている現象)に近いという違いがあります。

ゲノム編集食品のメリット

ゲノム編集食品は自然界でも起こり得ることを意図的に起こしているだけとも言える為、安全性が高いと考えられています

また、従来の手法による品種改良の場合は品種改良の確立にかなりの時間が掛かるそうで、種苗業界では「1品種10年」とも言われているそうです(紫外線や自然界の放射能で起こる差異をコントロールするのが難しい為大変だそうです)。

一方でゲノム編集技術を活用すれば、膨大な時間と労力を要する品種改良もわずか1〜2年でできるそうです

これはかなり大きなメリットですね。

ゲノム編集にまつわるコストが全く分かりませんが、単純に10年掛かっていたことが数年できるようになれば、私たち消費者にも恩恵がありそうな気がします。

ゲノム編集食品のデメリット

ゲノム編集は、「遺伝情報を編集したもの」と書きましたが、代表的なゲノム編集の方法では【狙った場所のDNAを(酵素で)切断し、自動修復された際にDNAが間違って元の配列とは違う配列になる】ことを意図的にやっており、この【変異】を品種改良などに利用しています

※補足すると、従来の育種ではこれを放射線や薬剤でやっていたそうです。そりゃ狙った効果を出すのむずかしそうですし、10年掛かると言われても不思議ではありませんね。

ゲノム編集食品は従来の方法よりも狙った効果を出しやすいのですが、それでも「オフターゲット」を心配する声はあります。

オフターゲットのリスク

オフターゲットとは、意図せぬ部分の遺伝子を切断してしまうことです。その結果、予期せぬ効果が出てしまうことがリスクとして挙げられます

たとえばジャガイモは日光にさらされると毒を生成しますが、緑色に変色するので見分けることができます。しかし、この「緑色に変色する」遺伝子が切断されてしまっていたら、気づかずに流通し、食卓に上る可能性があります。

このオフターゲットによる変異は従来の品種改良でも起こっているそうなので、ゲノム編集だから危険というわけでありません

管理体制さえしっかりしていれば何ら問題は無いと思われます。

しかし、DNAを切断する酵素を設計・作成する研究者に結果が左右されるという点はゲノム編集ならではの問題なのかもしれません。

ゲノム編集食品かどうかの表示は任意!

再び戻ってこの話。

先にも書きましたが、10月からゲノム編集食品の【販売・流通の届け出の受け付け】が始まりました。

厚生労働省への届け出は任意消費者庁は表示義務も課していないので、知らず知らずのうちにスーパーなどに流通し、わたしたちの食卓に上がっているかもしれません。

安全性が高いとはいえ、知らずに食べるのは嫌ですよね

全てのゲノム編集食品が任意なワケではない

ゲノム編集食品の中でも外部から遺伝子を入れたもの】は安全性を審査し、表示も義務付けるそうです

あれ?外部から遺伝子を入れたものは遺伝子組み替え食品じゃないの?と、気になったので調べてみました。

ゲノム編集のDNA切断では、過程によって以下の3つのパターンに分けられます。

  • SDN-1
  • SDN-2・・・わずかに外来遺伝子を組み込むが自然界で起こり得る範囲。
  • SDN-3・・・外部から遺伝子を導入。結果は遺伝子組み換えに近い。

どうやら、SDN-2と3は度合いの違いのようですね。

このうち、届出が任意で表示義務がないのは【SDN-1のみ】

それでも表示義務が無いのはなぜ?

思いの外気をつけている感じはしますが、それでもやはり「表示義務が無いのはおかしい」と思いますよね。安全なのであれば尚更。

実はゲノム編集で作られた【外部遺伝子を入れていない食品】は、そもそも、従来の品種改良によるものなのか?自然で起こった突然変異なのか?ゲノム編集食品なのか?科学的に区別がつかないそうです。

そのため、たとえばゲノム編集した食品とそうでない食品が輸送や作業工程の段階で混じってしまったとしても判別がつきません。

たとえば「保証書」などで管理したとしても、そもそもそれが本当なのかどうか?証明が難しいという問題があります。

このような事情から、生産者や販売者らに表示義務を課すのは現実的では無いと言えます。

参考:誤解がいっぱい、ゲノム編集食品の安全性と表示を解説する

遺伝情報が分かれば検証可能?

詳しいことは分かりませんが、遺伝情報が公開されていれば、第三者による科学的検証が可能だそうです。しかし企業にとってはその遺伝情報自体が【財産】なのでできるだけ公開したくない筈です。

農業のことに全く詳しく無い私からすれば「でも、遺伝情報を公開すれば全部丸く収まるじゃないか」と思ったものの、ゲノム編集食品の開発に携わる人からすれば不平等感がありますよね、それこそ手法が違っても従来の方法と結果同じならば尚更。

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アメリカの状況

アメリカでは既にゲノム編集食品の流通がはじまっており、WIREDのこの記事によると、農務省もFDAも「ゲノム編集食品に関する表示ガイダンス」を定めていないそうで、企業の独自判断に任せているようです。

一応、アメリカでも「Non-GMOプロジェクト」のような民間団体が、ゲノム編集食品を遺伝子組み換え食品として扱い、認証マークで分別するという動きもあるようです。

EU,ニュージーランドの状況

EUでは日本で認められた「規制対象外」のゲノム編集食品も含めて全てのゲノム編集食品を「遺伝子組み換え食品」とみなし、規制の対象としているそうです。

食品や農産物が作られる課程・プロセスに応じて規制しようとしているみたいです。

コスト面や外国からの輸入品の対策はどうするのでしょうか?

対策が気になって調べてみたのですが、私の頭では理解できせんでした(というか欲しい情報が見つかりませんでした)。

ニュージーランドもEUと同じ方針のようです。

まとめ

  • ゲノム編集食品の販売・流通の届け出が任意且つ表示義務が無いのは一部
  • 外部遺伝子を入れていない食品については科学的判断は難しい
  • 遺伝子組み替え食品よりも自然(従来の品種改良)に近い為、安全性が高いと考えられている
  • 効率良く品種改良ができる
  • 意図しない変異が起こる可能性があるが、それも従来の方法で見られる範囲内
  • アメリカでは企業の独自判断
  • EU,ニュージーランドでは全てのゲノム編集食品は遺伝子組み換え食品としている

ということでした。興味本位で調べたものの、頭がパンクしそうです 笑。

ゲノム編集食品は、それ自体はかなり優秀なものですが、私たちに直接関わることですし、結果は同じでも【DNA情報を編集する】というと、なんだか神の領域のような気がして反対の声が挙がるのも分かる気がします。難しい問題ですよね。

ちなみに私は神とか関係なく、【よくわからないけど怖いから嫌!】という気持ちから【まぁ、外部から遺伝子を入れたものじゃなければ流通しても仕方がないか】という気持ちになりました。

やっぱり外部から遺伝子を入れていないものにも、どうにかして表示はして欲しいとは思いますが。気持ち的に。でもきっと今の「オーガニック食品」や「無農薬野菜」のように「Noゲノム編集食品」をウリにするところが出てくるでしょうね。

でも・・・今の価格なら良いけど逆にそれがブランド化して高くなったら困るなぁ 笑

参考にさせて頂いた記事など

誤解がいっぱい、ゲノム編集食品の安全性と表示を解説する

解禁!“ゲノム編集食品” ~食卓への影響は?~

3分でわかるキーワード 解禁「ゲノム編集食品」とは

遺伝子組み換えとどこが違う? 食卓を魅力的に変える「ゲノム編集」

ゲノム編集と遺伝子組み換えって何が違うの?!

米農務省による「規制解除」が、ゲノム編集作物の普及を加速する

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