こちらは営業成績をあげたい携帯ショップスタッフ向けの記事となります (例えが携帯ショップ関連なだけですが)。
このブログでもいくつか営業成績をあげる具体的な記事を書いてきましたが、身振りや手振り、話し方というものを文章で理解するのはなかなか難しいと思います。そして何より活字で理解するのは大変ですよね 笑(私の文章力低さも問題だと思います・・・申し訳ありません)
そこで、是非とも参考にして欲しいのが「通販番組」です。
通販番組にはセールスに関する様々なテクニックが凝縮されており、扱っている商材に注目するのではなく、その仕組みに注目して観ることにより、あなたの営業力を飛躍的に成長させることができます。
よく「百聞は一見にしかず」と言いますが、色々と文章を読んで理解しようとするより、一度意識して通販番組を観る事をおすすめします。
通販番組には盗めるテクニックが満載!
実は通販番組にはセールストークのノウハウが詰まっています。
「通販番組は参考になる」と言っても「あれはお客さんと実際にやりとりするわけじゃないから状況が違う」という方もいるかもしれません。たしかにその通りなのですが、しかし製品のプレゼン部分においては、かなり参考になります。
通販番組でプレゼンをしている方はその道のプロなわけで、一流の方は商材を選びません。
つまり通販のテクニックを身につければ、新製品が出る度に、その製品に対して長い時間を掛けて勉強しなくても売れるようになるということです。
商品を売るまで5つのステップ
セールスの世界では、言葉こそ違いますがおおまかに5つの手順を踏んで商品を訴求します。
1.声かけ(イントロ)
声かけと書いていますが、状況によれば声をかけるよりも先に「笑顔」や「アイコンタクト」の場合もあります。要するにお客様と話す前段階であり、ここであなたの第一印象が決まります。
2.自己紹介(ショートストーリー)
自分が何者であるのか?(なぜ話しかけたのか?)を相手に伝えます。これはショートストーリーと書いているように、できるだけ手短に。
3.製品の訴求(プレゼン)
ここが商品のメリットを伝える部分です。多くの営業テクニックが基本的にここをメインに解説していることが多いのですが、実際は声かけからの流れでプレゼンに入りますので、ここだけに力を入れても意味はありません。
先ほども言いましたが、通販番組はここの部分で物凄く参考になります。
たとえば限られた時間の中で製品の魅力を伝える為に、簡潔キーワードを絞ってそれを繰り返しています。
番組のMCによって多少のやり方は違うでしょうが、特にジャパネットたかた社長(厳密には元社長の髙田 明さんのことですが、ここでは「たかた社長」に統一します)の場合は、小まめに相手に(この番組の場合は共演者に)質問を投げかけたり、同意を求めています(たとえば「いつも携帯料金ってどれくらい払っています?」とか「安くないですか?」など)。
(※通販番組の場合、商品をプレゼンしている人以外の共演者は視聴者の代弁者という形をとっていますから、視聴者が聞きそうな言葉や感想を話します。その結果、視聴者は共演者に自分を重ねて見ているわけです。ただし悪い言い方をすれば、その共演者は製品にとってマイナスな質問をすることが無いので、誘導されているのと同じなのですが 笑)
これは前にも他の記事で書いたことがあるのですが、製品の訴求において大切なことは小まめに相手から同意を得る言葉(「はい」など)を引き出すことなんです。
人間というのは不思議な生き物で、何度も繰り返し同じ判断をしていると、そのあとも同じ判断をしてしまうのです。つまり、小さなことでも良いので連続して同意してもらうと、その後も同意しやすくなる(=成約率が上がる)ということです。
上記のように話の途中で質問を投げかけたり同意を求めることで、結果的に相手にも「コミュニケーションが取れている」という安心感が生まれます。しかし実際の会話の主導権はこちらにあります。
プラス、たかた社長の場合は会話の節々に小さな「ボケ」を入れているので、聞いていて楽しいですよね。製品のプレゼンを聞かされているというよりは世間話を聞いている感覚に近い。
4.クロージング
最後のひと押しです。オーソドックスなスタイルとしては「仲間意識(今すごく売れています。先ほど購入した方も〜など)」や「限定意識(今なら○○円、在庫がもう少なくて)」を利用してクロージングします。
全てここまでの布石でやってきたのですから、クロージングは思い切ってズバッとひと押しましょう。
5.プラスワン
営業成績を向上させる上で意識しないといけないのはここ。一台売れたからと言って満足してはいけません。「リハッシュ」と呼ばれることもありますが、追加の一台を意識してください。
たとえば、タブレットの場合は「ご家族の為にもう1台」など。
「そんなことしたらせっかく買うと言ってくれたのにキャンセルになるんじゃ・・・」と思う方もいるかもしれませんが、それはあなたの訴求が上手くいっていない証拠です。
ゴリ押しで相手が買うことになった場合、もちろん激怒されるでしょう 笑。しかし、あなたの訴求が相手に響いて「本当に買いたい」と思ってくれているなら、追加で売ることは可能です。
なぜなら、「相手が欲しい!」と思った製品に対して、更に魅力的な提案をするわけですから、本来ならむしろ好意的に受け止められます。
勿論、あなたがその製品に自信を持っていることが大前提ですが。
実際に私は何度も(とはいえ2週間に1回ぐらいですが)1人のお客様に対してタブレットを2台、あるお客様は自分の分+家族分追加で3台購入して下さいました。それもわざわざ自宅に戻って。
これは別に「同じ製品を買ってもらえ」というわけではなくて、その製品を使う上であると便利な製品だったり、アクセサリー類だったり、とにかく訴求したものだけ売って満足しない方が良いという話です。
「商品を売るまで5つのステップ」のまとめ
それぞれを分けて考えるとこのように5つのステップになるのですが、実際にはすべて連続的に繋がっています。
なので、実際の営業で「これはどこの部分だ?」と混乱することもあるかもしれませんが、あくまで基本形なので臨機応変に対応しましょう。
通販番組に学ぶ、セールストークの基本構成
通販番組の多くは「問題提起」→「解決策として製品の紹介」というシンプルな構成になっていますが、要するに最初に「問題を解決することこそが最大のメリット」と印象づけるわけです。
私たちは普段の生活の中でたくさんの問題(不便さ)を感じていますが、本人にとって重大な問題であればわざわざ例え話などで問題提起されなくても、自覚しています。
ところが多くの通販番組の場合、わざわざ最初に実例をあげて問題提起をしています。
本来なら人によって解決の優先事項は違いますが、はじめに問題提起をすることによって、「早急に解決した方が良いと思わせる(人によっては隠れた問題を炙り出される)」テクニックの1つです。
たとえば新製品のスマホの場合、最初から「今よりアプリがサクサク動きます」というアピールをするよりも、「最近はアプリもどんどん高性能になってきて、動作が重いという方が多いんですよね」などと、最初に製品紹介の前振りとして問題を提起して、それが如何にデメリットな事なのかを実例をあげて解説してから製品のプレゼンに入る方が、聞いている人にも「自分に関係すること」だと認識しやすいです。
ちなみに私の場合はまず質問から入ります。「今お使いの端末で動作が遅いと感じた事はありませんか?」というような形です。そこで「Yes」なら、その問題を解決を中心に訴求しますし、「No」なら、手短に「実は最近のアプリは高性能になってきているので、どんどんスペック不足が〜」と、今は大丈夫でも将来的に問題になるかもしれないという話をします。それでも響かなければ、違うポイントを探します。こういったトークの中で「仲間意識」を上手く活用できればなお良いですね。
たかた社長のスマホ訴求
この記事を書くにあたって、ジャパネットたかたの動画を見ていたら、偶然スマホ販売の動画を目にしました(公式動画では無さそうなので、ここへの掲載は控えます)。
たかた社長は携帯電話のプロフェッショナルではありませんが、物凄く分かりやすくて驚きました。
何に驚いたかと言うと「製品独自の説明がほとんど無い」ということ。
私もそうですが、製品をプレゼンする際にはメーカーの製品情報を参考にします。
メーカーの製品情報というのは、当然ですが「その製品独自のもの」を中心に解説してあります。
ただ、これらは競合他社に対してのアピールなので、実際にお客様に必要な情報かというとそうではありません。
たとえば、たかた社長がアピールするポイントはメーカーのアピールポイントをほとんど無視しています。
私が観た動画では、スマホがよくわからない高齢者にターゲットを絞り、月額料金の安さをメインに訴求していました。
あとは、製品の説明というよりスマートフォンの説明の時間なんです。それもかなり絞って。
具体的に言うと、「Google音声検索」の実演ぐらいです。
あとは「カメラ」についても触れていますが、他製品との比較は勿論、その製品独自の機能などには一切触れていません。
あくまでスマホに詳しくない視聴者が「この製品をどうやって使うのか?」にだけ的を絞った訴求で素晴らしいと思いました。
それと同時に、こういった手法を使えばその製品に対する深い知識がなくとも効果的な訴求ができるようになります。
実際の携帯ショップに来店されるお客様の多くは、ある程度の知識を持っていますし、以前私は「ある程度の製品比較をする」ことをおすすめしましたが、あれも結局はお客様に「分かりやすく説明する」というのが目的ですのでターゲットによっては不要です。
実際私もスマホでなくタブレットを訴求する場合には、他製品との比較や独自の機能をアピールするより、「そもそも何ができるのか?」という共通の機能をメインに訴求をしていました。
シンプルに考える
現役で働いていた時の私もそうなのですが、日々最新端末に囲まれているとついつい「特徴的な機能」を訴求のメリットとして挙げがちですが、多くの場合それらはお客様にとって不要な情報であり、本当に心を動かすのはもっとシンプルなことだったりします。
それこそ、タブレットの場合は結局「画面が大きい」というのが新規契約の決め手になることが多いです。それをどうイメージさせるのか?が問題なだけです。
「画面が大きいのでおすすめですよ」という訴求ではなく、「画面が大きいので、運動会で撮影した動画をその場で家族全員で見ることができます」や「料理アプリを使う時は。スマホのように毎回濡れた手を拭いてスクロールさせなくても、タブレットなら大画面で表示させておけますよ」などのように。
最後に
なんだかんだ、通販番組というよりジャパネットのたかた社長の話になってしまいましたが、通販番組の基本的な流れはどれも同じです。
というわけで、営業力を上げたい方は通販番組からテクニックを盗むことをおすすめします!
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