イギリスのEU離脱問題(ブレグジット)について分かりやすく解説してみた

時事 By アバター onib

24日、メイ首相の後任としてボリス・ジョンソンが次期首相となることが決定しました。

過激な発言で「英国版トランプ」と評されることもあるボリスはEU離脱派ですが、対抗馬のジェレミー・ハントに約2倍の差をつけて圧勝しました。

 

ということで、「イギリスのEU離脱問題(ブレグジット)」の現状を理解する為に今までの経緯や理由を簡単にまとめてみました。

そもそもEU(欧州連合)とは?

簡単に言うとEUとは、「周辺国で協力し合う事を目的」にした共同体で、ヨーロッパ28か国が加盟しています。

具体的には

  • 加盟国間の移動時のパスポートチェックの簡略化
  • 共通通貨(ユーロ)
  • 輸出入時の制限緩和(手続きの簡略化/域内貿易の関税撤廃など)

などが挙げられます。他にも加盟国内でインフラ整備の協力をしたり、軍事同盟的な側面もあります。

 

つまりEUとは、感覚的言うとEUという大きい国を作り、加盟国それぞれは1つの地域になったような感じです。とはいえ1つ1つの国は独立しているので、州によって法律が異なる「巨大なアメリカ」のようなものとも言えます。

 

近隣諸国が経済的にも軍事的にも団結するというのは一見メリットばかりに見えますが、加盟国の1つのイギリスでは「EU離脱問題」が起こっています。一体なぜなのでしょうか?

EUのデメリットとイギリスが離脱したい理由

EUに加盟するのは何もメリットばかりではありません。

  1. 移民問題
  2. 経済格差

などの問題があります。

1.移民問題

治安の悪化への危惧」「低賃金で働く移民に仕事を奪われている労働者の不満」福祉制度にかかる費用の圧迫」などがあります。

EU加盟国同士は人の行き来が基本的に自由ですが、他の加盟国が一旦受け入れた移民はEU内の移動となる為、自国での移民制限が難しいという問題があります

 

EU加盟国から大量の移民が流入しているイギリスでは、移民は社会問題となっています。

2.EU内の経済格差

たとえば加盟国間では主にユーロを使われていますが、ユーロに統一してしまうとそれぞれの国で景気をコントロールできなくなりますこれを嫌ってイギリスでは加盟国でありながらポンドを利用しています。

ユーロを採用するというのは各国のレートを固定するという事であり、既に「技術力が高い国」と「そうでない国」では給料に大きな開きがあります。

また、経済的に裕福な国はそうでない加盟国に対して補助金などの名目でお金を出しているという現実もあります

 

イギリスにはユーロを導入せず、独自の金融政策によって他のEUの多くの国々より経済的に成功した実績があります

そもそもイギリスとその他の加盟国は相容れない?

そもそもですが、イギリスとその他の加盟国(欧州大陸)はもともと考え方が大きくことなります。

イギリスが地理的に離れているという事もありますが、たとえば法体系。

 

イギリスはアメリカと同じ「判例法主義」で、裁判所の判例を優先します。

しかし他の国々は「成文法主義」で、議会(政府)が作る制定法を規範としているのです。

 

要するにイギリスは行政より司法優位他の国は司法より行政が優位とされているのです。

国家の基盤となる司法・行政に関して根本的に違う考え方なので、むしろ今まで同じ組織としてやってこれた方が不思議ではないでしょうか?

イギリスのEU離脱の大まかな流れ

※できるだけ簡略化する為にポイントだけ書いています。

2016年6月23日国民投票を実地。賛成が52%で上回る。

2017年3月29日、国民投票の結果を受けEU側に離脱を通告

(EU条約では、離脱の通告から2年後にEU法の適用が切れる=2019年3月29日で離脱となる)

2017年6月に離脱交渉を開始、2018年11月に離脱の条件をまとめた離脱協定案についてイギリスとEU間で合意

2019年1月、英議会で合意案が否決

(EU離脱にはそれぞれの議会で合意案の承認が必要

POINT

英議会で否決された理由

最大の理由は「北アイルランド問題」。アイルランド島の北側はイギリス領なので現状はEU加盟国ですが、イギリスがEUを離脱すると北アイルランドもEUを離脱することになります。これまで自由だった人や物の移動が自由でなくなるということになります。もともとイギリスからの独立に賛成派と反対派の間で紛争が続いてきた同地域で、再び情勢が不安になることが危惧されています

ちなみに、メイ首相はその後の修正案で「北アイルランドのみEUの制度を残す」という修正案も提案しましたが、これも「イギリスとと北アイルランドで事実上の国境が引かれる」という理由から英議会で再び否決されています。

 

その後も、イギリス国内でもEU離脱に向けての意見がまとまらず、EU側への離脱日の延期要請を何度か経て、2019年4月のEU首脳会議にて、最長で2019年10月31日まで離脱が延期されることになりました

イギリスの現状

冒頭にも書きましたが、24日「10月31日にEU離脱を必ず実現する」と言明したEU離脱強硬派であるボリス・ジョンソンが次期首相となることが決定し、「合意なき離脱もありえる」と言っています。

「合意なき離脱」とは?

離脱交渉で合意に至らず、強行的に離脱する事を指します。

つまり「合意なき離脱」は、法や規制の整備が不十分なまま離脱することになるので、イギリスとEU加盟国との間で様々な問題が引き起こる可能性があります。

 

具体的には、今まで不要だった税関手続きが発生するので物流が読めないという問題雇用の減少物価の上昇を招くなど、様々な経済的リスクが考えられます。

まとめ

要するにEU離脱派は、「EUのルールに縛られたくない!自分たちだけの方がうまくいく」と考えているわけです。とはいえ、様々な混乱が予想される「合意なき離脱」は誰もが避けたいところ。しかし、EUに対して強硬な姿勢を打ち出すボリス新首相が誕生し、「合意なき離脱」が現実味を帯びてきました。

そもそもEU離脱という前代未聞な出来事ですから、誰も正解が分からない中で答えを探すのは大変ですよね。

一体これからどうなっていくのか?まだまだEU離脱をめぐるイギリス国内のゴタゴタは続きそうです。


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元・携帯ショップの販売員(専門)。 「マニアックな話を素人にも分かりやすく」をモットーに記事を書いています。